2013年7月12日金曜日

才能を引き出すエレメントの法則



忙しくなると周りが見えなくなってしまうのは、昔から。

あまりにも見えなくなりすぎてしまうのは良くないので、毎朝「今日やることリスト」を作って、日々過ごしています。(計画通りにいかないことが多々ありますが)

っで、昨日の「今日やることリスト」の中に「週末に読む本を見つける」っという項目を盛り込んでみました。いくつか候補が上がったのですが、以下の本を読むことにしました。


才能を引き出すエレメントの法則
ケン・ロビンソン ルー・アロニカ
祥伝社
売り上げランキング: 122,241
この後に、本書の内容を簡単にまとめます。

著者は「自分の得意なこと」と「自分の好きなこと」が出会う場所をエレメントと表現し、それを見つけるための法則7つ紹介しています。

 ① 能力を限定しない
 ② 好きになる
 ③ 仲間がいる
 ④ 環境から抜け出す
 ⑤ チャンスを逃さない
 ⑥ メンターと出会う
 ⑦ 年齢にとらわれない

また、エレメントを見つけるために乗り越えなければならない障害を「制約の輪」と銘打って3つ紹介しています。
 ① 個人的サークル:自分への自信のなさ
 ② 社会的サークル:周囲が「あなたには出来ない」という言葉をかける
 ③ 文化的サークル:自国のルールや自分の考え方の影響を受けている

最後には、
「(制約の輪を乗り越えて)エレメントを見つけるには、情熱が必要でかある。情熱とは他者にどう思われようが自分の好きなこと、時間が経つのも忘れて没頭してしまうこと、楽しくてしょうがないこと状態のこと」
だと言っていました。

読み出すとなんだか夢中になってしまい、週末に読むはずが一日で読んでしまいました。

感想は、自分がやりたいことには情熱をもって取り組むべきだということ。その情熱が、自分の才能を開花させ成長し、多くの人に感動を与え、最終的には自分も周りも幸せになれるということ。経済的な豊かさばかりを追求し、心の豊かさを考えることを忘れてしまいがちな現在社会にいるからこそ、何かと考えさせられました。

[著者のTEDスピーチ]
ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」



2013年7月7日日曜日

フューチャーセンターって何?


最近、ふらっ〜と書店に入り、ある本を読んで「フューチャーセンター」という言葉を知りました。
(「フューチャーセンター」を初めて聞いた方は、後述する「本の内容のトピック」をご覧ください)
「フューチャーセンター」を日本語で表現すると、Futureは“未来”、Centerは“機関”で、直訳すると“未来の機関”です。簡単にいうと対話し未来のことを考える“場”のことです。
同じ業種職種にしばられず多様性豊かな参加者を招き、ある問題の解決策を考えたり、参加者同士のつながりを促進させたりする“場”なのです。イメージは下図の感じです。










最近、多様な業種・職種の方が集まる勉強会の“場”に足を運んでいます。
この“場” がフューチャーセンターの考え方に近いかな〜と思います。

先日の勉強会では、ある参加者が「スイーツデコレーションを使った新規ビジネスの企画立案をする」というテーマを提起し、チームごとに提案するというワークをしました。同じテーマにも関わらず提案内容が全く違っていたし、提案するまでのプロセスにも違いがあり、非常に勉強になりました。

自分の周りの方(友人・顧客・家族など)と話をすると、仕事の内容に対して「問題意識」を持っている方が多くいます。「問題意識」を持つことは決して悪いことではなく、向上心があればその分、問題意識を持つものです。問題を解決できる!もしくは解決するための糸口をみつけられる!場所があるっって思えると、より前向きに仕事ができるのではないでしょうか。

「読んだ本」
フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み
野村 恭彦
プレジデント社
売り上げランキング: 65,398

本の内容のトピック」

1. フューチャーセンターの基本概念
    • 「フューチャーセンター」は、北欧の知的資本経営の考え方から「未来の価値を生み出す場」として生み出された。その後、欧州各国の公的機関に広がり、「複雑な問題」をスピーディに解決するため、多様な専門家やステークホルダーが集りオープンに対話する場として発展した。
    • 日本においては、社会・経済の閉塞感を乗り越える為の企業や大学のオープン・イノベーションの場として、また未来に向けた市民参加のまちづくりの場として広く認知されつつある。「フューチャーセンター」では、創造的なワークショップのファシリテーションという「機能」を提供し、そこで対話を行い、アイデアを創出する「活動」を行う場を構築・運営する。
    • 今後は異なる様々なテーマを有する「フューチャーセンター」が相互に関係性を構築し、更に新たな社会問題の解決に向けて連携・発展をしていくことが期待されている。

    2. フューチャーセンターの構成要素
    • “空間”: 多様なステークホルダーがいつでも課題を持ち込みオープンに対話できる、創造的な空間を持つこと(固定的な空間を保有しなくても構わない)。
    • “ファシリテーター”: フューチャーセンターでのセッションには、必ずファシリテーターが介在し、様々な方法論に基づき、よい対話をガイドする。
    • “方法論”: 対話、未来シナリオ、デザイン思考などの方法論を目的に応じて活用する。
    • “ホスピタリティ”: 通常の会議とは異なり、人としての関係性づくりを促す。

    3. フューチャーセンター活動の原則
    • フューチャーセンターは、想いを持った「問い」で始まり、集まった多様なメンバーに対して、良質な対話により相互理解をもたらす。そして協調的アクションを生み出す。
    1. 思いを持った人の大切な問いからすべてが始まる。
    2. 多様な人たちの知恵が一つの場に集まる。
    3. 集まった人たちの関係性を大切にする。
    4. アクティブに学び実践・プロトタイピングする。
    5. あらゆる情報やアイデアを空間内に可視化する。
    6. 良い場がアクションを起こす。それを信じる。

    4. フューチャーセッションの焦点
    • フューチャーセンターで行われる、各回のセッションを「フューチャーセッション」と呼ぶ。ファシリテーターは、フューチャーセッションを進める上で、(1)マルチステークホルダーを集めること、(2)対話により関係性を築くこと、(3)協調的アクションを引き出すこと、の三点を強く意識する。
    • いわゆる有識者会議と異なり、一部の専門家ではなく、より広範なステークホルダーが参加する
    • いわゆるタウンミーティングと異なり、参加者同士が対話し関係性を構築することで、協調的なアクションを引き出す(結果、一見対立する意見を持ったグループ同士が協力し合うことができる)

    5. フューチャーセッションによるイノベーション
    • フューチャーセッションは、組織にイノベーションのための二つの効果をもたらす。一つは、組織の壁を超えて対話し、協調的アクションを起こせるようになること。もう一つは、顧客や市民、社会起業家などの外部ステークホルダーを招くことで、フレッシュな視点を組織内に導入することができることである。
    • フューチャーセッションは、地域にもイノベーションのための効果をもたらす。自治体は、企業や市民と同じベクトルを向きながら、一緒にアイデアを出すことができるようになる。セクターを超えた協調的アクションは、地域にイノベーションをもたらす。