2013年11月4日月曜日

「探究型」を探究する "Assessment”


探究型学習をデザインする指導者のためのワークショップに参加してきました。
今回のデーマは、「探究型」を探究する (7)Assessment”でした。

参加した動機は、超単純。企業研修の評価方法を考えるうえで何かヒントになるかと思ったからです。ITスキルは、定量評価できますが、ヒューマンスキルというのは、定性評価になってしまいがちです。企業の教育担当者から、ヒューマンスキルを定量評価してほしいという意見を聞く事もしばしばです。

個人的には、評価は改善するために必要なものですが、客観性より納得性が重要であると思っています。なので、ITスキルにしてもヒューマンスキルにしても「納得性」があれば、立派な評価になりうるという仮説をもって、本日のワークショップに参加しました。

結論からいうと少し期待はずれの内容でした、あれこれと話されていましたが、結局は納得性が重要であるということであり、僕の仮説以上のものを得られなかったからです。仮説を検証できたいえば、意味があったと思います。

話は変わりますが、研修を受講者の立場で受講する時は、講師のファシリテーションに目を向けてしまいます。普段、自分が講師として登壇しているので、完全に職業病ですね笑。今日のコースでは、コースを進める上で新たなヒントがあったので、備忘のために残しておきます。


まず、アイスブレイクです。
「人間グラフ」というのもをしました。

テーマ①は、主催コースに参加した回数でグルーピングし、集まるというもの。僕は初参加で、他にも初めて参加の方が結構いたので、すごく親近感がわきました。

テーマ②は、出身地順に並ぶというもの。正しく整列するためには、周囲の方々と出身地を言い合うわけですが、自分の出身地の近い人と話すと、単純にうれしかったです。


次のアイスブレイクは「Who am I ?」です。自己紹介をするために以下ことをしました。

  1. 名前や容姿以外のことを3つかく。性格、興味、関心、趣味、好き嫌い。
  2. 私は〜です(ます)の形式でかく。
  3. 一人司会者をきめて、それを読み上げる。
  4. メンバは、1、2、3の合図でサムズアップした両手を予想した人に向ける。
  5. 本人は名乗り出て、1分自己紹介をする。

これでアイスブレイクは終了です。上記の二つは使えそう。

アイスブレイクの次にしたのは、共有ウォール(Share Our Ideas)を作成すること。
全員が、以下の項目の回答をポストイットにかき、壁に貼って考えや学びの種をウォールでシェアします。

  1. もし・・・を持ち帰れば、このコースは有意義なものになる
  2. 一番苦労している事、悩んでいる事
  3. 私の最大の強みは・・・だ
  4. 最近興味のあるトピックは・・・だ
全員の考えを見える化する良い方法でした。

[キーワード]
・ルーブリック
・メタメタマップ
・志の輔/親の顔(http://www.youtube.com/watch?v=hJF_P-L9x70






2013年11月3日日曜日

デザイン思考マスターコース受講


10/19,20(土,日)にデザイン思考マスターコースを受講してきました。

土日にもかかわらず、多くの業種の方々が20名も参加しており、デザイン思考への関心の高さがうかがえました。

このコースを受講したきっかけは、組織的なイノベーション、道具としてのデザイン思考 -という記事を読んで興味をもったからです。そして、東京へ転勤したことをきっかけに、会社で何かイノベーティブなことをしたくなり、何かヒントを得たかったというのもあります。

デザイン思考というのは、米国のデザインコンサルティングファームであるIDEOが先行して提唱してきた方法論で、現在ではアメリカだけでなく、日本も含め世界中に広がりの兆しを見せ始めています。詳細は、この書籍で紹介されています。

一連のプロセスは、以下5つのプロセスで成り立っています。
①共感 ②問題定義 ③創造 ④プロトタイプ ⑤テスト
詳しい資料はこちら

最大の特徴は、上流工程で「人」に着目し,観察・共感を通じて問題を定義し、先入観にとらわれずにその問題を解決策を発想すること。そして、すぐにプロタイプを作成し評価することで、よりイノベーティブなコンセプトに昇華させていきます。このプロセスをふむことにより、「跳んだ」コンセプトに到達可能性が高くなるわけです。

これらの考え方は、ソフトウェアの開発現場での「アジャイル開発方式」や、起業プロセスの一つである「リーンスタートアップ」に近い。共通して言えるのは、アイデアやプロセスの設計、構築、評価のプロセスを短期間で回し、反復することにあります。
何か変化を生み出すために、非常に有効な方法論だと思います。

一方で、「跳んだ」コンセプトは、意思決定の責任者やプロセスが明確でない組織では、成果が立ち消えになってしまう可能性があります。特に、大企業病と呼ばれる変化を拒んでしまうような組織では、うまくいかないかもしれません...

デザイン思考とは?、を図で表すとこれが一番しっくりきます。


研修は、とにかく楽しかったです。
もっと受講したいと思った研修は、久しぶりでした。
東京は、学ぶ姿勢があれば、たくさんの機会に恵まれる、刺激的な街ですね (^^

以上

2013年8月6日火曜日

イモトアヤコの地球7周半



ここ最近、グランフロント大阪でサイン会をするとか、売れまくって入手困難とかっていうツイートが頻繁に流れていた。そして昨日、別の本を探しに紀伊国屋に立ち寄ったら、偶然にもイモトを発見!パラパラめくるとそんなにボリュームがなかったので、立ち読みしてペラペラと目を通した。イッテQ〜で、世界を渡り歩いた経験談がツラツラと書かれてましたが、覚えてるものをいくつか列挙します。


イモトアヤコの地球7周半
イモト アヤコ
プレジデント社
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•エベレストに登るためのセスナ機は、よく墜落するらしいが、飛行機は4つのエンジンのうち3つ故障しても飛べる

•ジンバブエでは土を食べる。ジンバブエの土は、ミネラルと鉄分が豊富に含まれているため妊婦に人気がある

•ナイル川は沿岸の家庭から生活排水が流れるらしく、世界一汚い川として有名

•インドではヒンドゥー教徒の頭をなでなですると嫌がられる。ヒンドゥー教では神が宿る神聖なところとされている

やっぱ、自分で体験して、この目この耳、この体で確かめないとわからんし、それが大事なんやろね。

最後は、こんな言葉で締めくくられてました。

思い切って一歩踏み出してみてください。そこから人生が動きだす。

イモトアヤコかっこええやん。




2013年7月12日金曜日

才能を引き出すエレメントの法則



忙しくなると周りが見えなくなってしまうのは、昔から。

あまりにも見えなくなりすぎてしまうのは良くないので、毎朝「今日やることリスト」を作って、日々過ごしています。(計画通りにいかないことが多々ありますが)

っで、昨日の「今日やることリスト」の中に「週末に読む本を見つける」っという項目を盛り込んでみました。いくつか候補が上がったのですが、以下の本を読むことにしました。


才能を引き出すエレメントの法則
ケン・ロビンソン ルー・アロニカ
祥伝社
売り上げランキング: 122,241
この後に、本書の内容を簡単にまとめます。

著者は「自分の得意なこと」と「自分の好きなこと」が出会う場所をエレメントと表現し、それを見つけるための法則7つ紹介しています。

 ① 能力を限定しない
 ② 好きになる
 ③ 仲間がいる
 ④ 環境から抜け出す
 ⑤ チャンスを逃さない
 ⑥ メンターと出会う
 ⑦ 年齢にとらわれない

また、エレメントを見つけるために乗り越えなければならない障害を「制約の輪」と銘打って3つ紹介しています。
 ① 個人的サークル:自分への自信のなさ
 ② 社会的サークル:周囲が「あなたには出来ない」という言葉をかける
 ③ 文化的サークル:自国のルールや自分の考え方の影響を受けている

最後には、
「(制約の輪を乗り越えて)エレメントを見つけるには、情熱が必要でかある。情熱とは他者にどう思われようが自分の好きなこと、時間が経つのも忘れて没頭してしまうこと、楽しくてしょうがないこと状態のこと」
だと言っていました。

読み出すとなんだか夢中になってしまい、週末に読むはずが一日で読んでしまいました。

感想は、自分がやりたいことには情熱をもって取り組むべきだということ。その情熱が、自分の才能を開花させ成長し、多くの人に感動を与え、最終的には自分も周りも幸せになれるということ。経済的な豊かさばかりを追求し、心の豊かさを考えることを忘れてしまいがちな現在社会にいるからこそ、何かと考えさせられました。

[著者のTEDスピーチ]
ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」



2013年7月7日日曜日

フューチャーセンターって何?


最近、ふらっ〜と書店に入り、ある本を読んで「フューチャーセンター」という言葉を知りました。
(「フューチャーセンター」を初めて聞いた方は、後述する「本の内容のトピック」をご覧ください)
「フューチャーセンター」を日本語で表現すると、Futureは“未来”、Centerは“機関”で、直訳すると“未来の機関”です。簡単にいうと対話し未来のことを考える“場”のことです。
同じ業種職種にしばられず多様性豊かな参加者を招き、ある問題の解決策を考えたり、参加者同士のつながりを促進させたりする“場”なのです。イメージは下図の感じです。










最近、多様な業種・職種の方が集まる勉強会の“場”に足を運んでいます。
この“場” がフューチャーセンターの考え方に近いかな〜と思います。

先日の勉強会では、ある参加者が「スイーツデコレーションを使った新規ビジネスの企画立案をする」というテーマを提起し、チームごとに提案するというワークをしました。同じテーマにも関わらず提案内容が全く違っていたし、提案するまでのプロセスにも違いがあり、非常に勉強になりました。

自分の周りの方(友人・顧客・家族など)と話をすると、仕事の内容に対して「問題意識」を持っている方が多くいます。「問題意識」を持つことは決して悪いことではなく、向上心があればその分、問題意識を持つものです。問題を解決できる!もしくは解決するための糸口をみつけられる!場所があるっって思えると、より前向きに仕事ができるのではないでしょうか。

「読んだ本」
フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み
野村 恭彦
プレジデント社
売り上げランキング: 65,398

本の内容のトピック」

1. フューチャーセンターの基本概念
    • 「フューチャーセンター」は、北欧の知的資本経営の考え方から「未来の価値を生み出す場」として生み出された。その後、欧州各国の公的機関に広がり、「複雑な問題」をスピーディに解決するため、多様な専門家やステークホルダーが集りオープンに対話する場として発展した。
    • 日本においては、社会・経済の閉塞感を乗り越える為の企業や大学のオープン・イノベーションの場として、また未来に向けた市民参加のまちづくりの場として広く認知されつつある。「フューチャーセンター」では、創造的なワークショップのファシリテーションという「機能」を提供し、そこで対話を行い、アイデアを創出する「活動」を行う場を構築・運営する。
    • 今後は異なる様々なテーマを有する「フューチャーセンター」が相互に関係性を構築し、更に新たな社会問題の解決に向けて連携・発展をしていくことが期待されている。

    2. フューチャーセンターの構成要素
    • “空間”: 多様なステークホルダーがいつでも課題を持ち込みオープンに対話できる、創造的な空間を持つこと(固定的な空間を保有しなくても構わない)。
    • “ファシリテーター”: フューチャーセンターでのセッションには、必ずファシリテーターが介在し、様々な方法論に基づき、よい対話をガイドする。
    • “方法論”: 対話、未来シナリオ、デザイン思考などの方法論を目的に応じて活用する。
    • “ホスピタリティ”: 通常の会議とは異なり、人としての関係性づくりを促す。

    3. フューチャーセンター活動の原則
    • フューチャーセンターは、想いを持った「問い」で始まり、集まった多様なメンバーに対して、良質な対話により相互理解をもたらす。そして協調的アクションを生み出す。
    1. 思いを持った人の大切な問いからすべてが始まる。
    2. 多様な人たちの知恵が一つの場に集まる。
    3. 集まった人たちの関係性を大切にする。
    4. アクティブに学び実践・プロトタイピングする。
    5. あらゆる情報やアイデアを空間内に可視化する。
    6. 良い場がアクションを起こす。それを信じる。

    4. フューチャーセッションの焦点
    • フューチャーセンターで行われる、各回のセッションを「フューチャーセッション」と呼ぶ。ファシリテーターは、フューチャーセッションを進める上で、(1)マルチステークホルダーを集めること、(2)対話により関係性を築くこと、(3)協調的アクションを引き出すこと、の三点を強く意識する。
    • いわゆる有識者会議と異なり、一部の専門家ではなく、より広範なステークホルダーが参加する
    • いわゆるタウンミーティングと異なり、参加者同士が対話し関係性を構築することで、協調的なアクションを引き出す(結果、一見対立する意見を持ったグループ同士が協力し合うことができる)

    5. フューチャーセッションによるイノベーション
    • フューチャーセッションは、組織にイノベーションのための二つの効果をもたらす。一つは、組織の壁を超えて対話し、協調的アクションを起こせるようになること。もう一つは、顧客や市民、社会起業家などの外部ステークホルダーを招くことで、フレッシュな視点を組織内に導入することができることである。
    • フューチャーセッションは、地域にもイノベーションのための効果をもたらす。自治体は、企業や市民と同じベクトルを向きながら、一緒にアイデアを出すことができるようになる。セクターを超えた協調的アクションは、地域にイノベーションをもたらす。

    2013年6月5日水曜日

    フェミル推定を考察してみる


    先日、ある勉強会でフェルミ推定に関する演習をしました。

    「フェルミ推定‥‥フェルミ推定‥‥‥」

    どっかで聞いたことあるような気がしたけど、思い出せないまま悶々とした状態で演習に取り組みました。

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    フェルミ推定とは、正確に答えることが難しい数量を推論だけで回答する思考過程のことです。フェルミ推定の問題の例をあげると以下のような感じです。

     ① 東京都のゴキブリを退治する。全部で何匹ですか?
     ② 日本に蚊は何匹くらいいるだろうか?
     ③ 日本全国に美容室は何軒ありますか?

    正確に答えをだせないこの手の問題は苦手です。チーン...
    コンサルティング会社やIT企業において伝統的に面接試験で用いられているそうです。

    今日、帰りの電車で「フェルミ推定」について考えていました。
    そして なんとなく自分なりの考えがでたので、忘れないうちにブログに書いときます。

    それは「フェミル推定」と「仮説思考」って関連性があるよねーってことです。

    仮説思考とは、ある一定の「結論」(仮説)を導き出し、検証することで真の結論を導き出す考え方です。仮説を用いることで効率的に真の結論にたどりつくことができる点がメリット。

    フェミル推定の訓練をくりかえすと仮説思考力が鍛えられると思います。

    例えば、上記問題の③で日本の美容室の軒数を数えるとします。

    数える過程で、美容室一軒あたりの女性顧客数 (週末の顧客数 + 平日の顧客数)を求めようとしたとき、男性である私は女性が美容室に行く回数が容易に想像できません。

    でも「仮にこのくらいだったら?」と仮定して算出しておけば、あとで仮説の精度を高めやすくなります。限られた時間と情報でできるだけ推論を展開できれば、真の結論への道のりはそんなに遠くないのかも知れません。

    私は、マーケティングに関しては門外漢なので偉そうなことは言えませんが、新規事業や出店計画を立てるときのシミュレーションとしてフェルミ推定は使えると思うし、その他広範囲で活用できそうです。

    [おまけ]
    「フェルミ推定」ってどっかで聞いたことがあると思ったら、1年前に会社の上司から貰った本の中で出てきてました。でもまだ読んでいない。

    地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
    細谷 功
    東洋経済新報社
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    おしまい。

    2013年6月2日日曜日

    第2回クリシン勉強会


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    今日は、グロービスのクリシンクラスのとある勉強会に参加してきました。
    前回に引き続き2回目です。幹事の方々やF先生には非常に感謝しています。

    最近、自分の視野を広げたくてできる限り、いろいろな年齢層や職種の方と接することを心がけています。今日のようなクリシン勉強会なんかは自分にとって本当に貴重な学び場になっています。

    毎回、F先生のファシリテーションスキルに着眼すると「ほんまに上手いなぁ〜」と関心させられます。このファシリテーションスキルを私も早く修得したいと思っています。このあとの文章で理由をツラツラと書きます。

    現在、ITインストラクターとして日々登壇していますが、現在の担当科目は知識付与型の研修が多いです。テキストに即してあれこれ説明をして実機を使う研修であればPCやルータを使って研修を進めていきます。もちろん受講者の理解度や進捗状況を見ながら、(自分なりに)臨機応変に進行しています。こういった知識付与型の研修って今度少なくなって来る気がしています。

    ここ数年、教育業界にいると「反転授業」というキーワードをよく耳にします。反転授業とはなにかというと、コンテンツ化した講義を受講者に提供し事前に学習します。そして集合研修では事前学習の内容をディスカッションする授業スタイルです。

    このスタイルが主流になると我々インストラクターは、集合研修で受講者に知識を付与する必要がなくなり、受講者間のディスカッションを調整するスキルが今以上に求められるはず。っていうことを考えながら勉強会に参加していました。


    情報の出し方の順番で印象は操作できる、つまり空気を作る

    今日一番印象に残った言葉です。上手くファシリテートするには、受講者から引き出した情報を足したり引いたり、時には掛けたり割ったりすることが必要です。自分のフィルタを通したその情報を受講者にどのように提供するかで、受講者の印象を操作できるかどうか決まると思います。そして上手く操作できたときは、クラス全体の空気がよくなって満足して帰ってくれるのでしょうね。

    修行はつづく...

    簡単なコンテンツだったらSnapz proってソフトで作れるみたいです
    http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/02/post_1835.html